よくある質問

ローマ字表記が70年ぶりに改定
名前や看板のアルファベット表記への影響は?

政府は2025年12月22日、70年以上使われてきたローマ字表記のよりどころを改定し、社会で広く使われている「ヘボン式」を基本とする内閣告示第4号を実施しました。名前、看板、標示板、名刺、スタンプ、ユニフォームのネームナンバーなどにも関係しますが、今あるものを一律に作り直す改定ではありません。

2026.07.15

ネームナンバー入りユニフォーム、個人名刺繍、名刺、スタンプの制作イメージ

まず結論

作り直しより「表記の確認」が大切です

今回の見直しは、ローマ字を使う場面で迷いにくくするための基準づくりです。既存の名刺や看板をすぐ差し替える必要はありません。ただし、新規制作、増刷、データ更新、チームウェアの追加注文では、ヘボン式・長音・撥音・姓と名の順番を確認してから入稿すると、表記ゆれや作り直しを防ぎやすくなります。

1. 今回のローマ字表記改定の内容

1954年(昭和29年)訓令式が公用文のよりどころとして採用
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2025年12月22日ヘボン式に基づくつづり方へ正式に改定

日本政府は2025年12月22日、昭和29年の内閣告示を廃止し、社会生活で広く使われているヘボン式に基づく新しい「ローマ字のつづり方」を実施しました。訓令式は「し」を「si」、「つ」を「tu」と書く考え方です。一方、新しいよりどころでは「し」を「shi」、「つ」を「tsu」と書きます。パスポートや道路標識、各種案内表示で見慣れた書き方に近い形です。

今回の改定は、現代の日本語をローマ字で書くときの「よりどころ」を整理するものです。法的にすべての表示を直ちに変更させるものではありません。過去の文書や、すでに定着した地名・ブランド名・個人名の表記を否定するものでもありません。ただし、文字を扱う印刷・印章・看板・ウェア制作の現場では、新しく作るデータの確認基準として知っておく価値があります。

出典:文化庁「ローマ字のつづり方」(令和7年12月22日内閣告示)

ポイントは「今あるものを全部直す」ではなく、「これから作るものの表記ゆれを減らす」ことです。名刺、ショップカード、看板、スタンプ、ユニフォームの個人名刺繍やネームナンバープリントでは、発注前の確認項目が少し増えると考えると分かりやすいです。

2. 名刺・看板・スタンプ・オリジナルTシャツ印刷への影響は?

ローマ字を使う制作物では、見た目のデザインだけでなく「読み方が伝わるか」「既存の表記と揃っているか」が重要になります。特に名刺、店舗看板、標示板、ゴム印、お名前つけスタンプ、ショップカード、ユニフォームのネームやネームナンバーは、個人名や団体名をアルファベットで扱うため、表記ルールの影響を受けやすい分野です。

ただし、影響の出方は制作物ごとに違います。名刺は本人確認や海外取引で使われるため、パスポート表記や社内表記との整合性が大切です。看板や標示板は、通行人が読みやすいこと、既存店舗名やブランド名と矛盾しないことが優先されます。スタンプは小さな文字で読ませるため、長音や撥音を省略すると別の名前に見えることがあります。ユニフォームはチーム内で同じルールに揃えることが、追加注文時の表記ゆれ防止につながります。

ローマ字表記入り名刺のイメージ
名刺

現在の表記が広く使われている場合、そのまま使えることも多くあります。

ローマ字表記の看板イメージ
看板

古い表記も含めて、読みやすさと既存表記との統一を確認します。

ローマ字表記のスタンプ制作イメージ
スタンプ

小さな文字では、誤読されにくい表記と書体の確認が大切です。

ネームナンバー入りTシャツのイメージ
ネームナンバー

チーム内で表記を統一しているなら、そのまま使える場合があります。

オーダー時は「希望表記」「読み仮名」「用途」「既存データの有無」を一緒に確認すると安心です。特に個人名刺繍やネームナンバープリントは、1人だけ表記が違うと作り直しになりやすいため、名簿段階でルールを揃えておくのがおすすめです。

3. ヘボン式と訓令式、何が違う?

大きな違いは、日本語の音をアルファベットでどう写すかです。訓令式は日本語の五十音表に沿った整理がしやすい一方、ヘボン式は実際の発音に近く、海外の人にも読みやすい表記になりやすいのが特徴です。印刷物では、どちらが正しいかだけでなく、受け取る人が迷わず読めるかが重要になります。

注目制作時に迷いやすいのは「し・つ・ふ・じ」。ヘボン式では SHI / TSU / FU / JI を基本に確認します。
かな ヘボン式 訓令式 例(ヘボン式) 例(訓令式)
しSHISISHIGERUSIGERU
つTSUTUTSUTOMUTUTOMU
ふFUHUFUJIOHUJIO
じJIZIJIROZIRO

表記は一例です。名字や名前、学校・団体のルールによって使い分けが必要な場合があります。

撥音「ん」は n

あんまんは anman、銀座は Ginza のように書きます。b、m、p の前でも基本は n と考えると、ルールをシンプルにできます。

促音「っ」は子音を重ねる

鉄板は teppan、雑誌は zasshi、日直は nicchoku のように表します。sh や ch は最初の子音を重ねます。

長音は省略しない判断も必要

大野を Ono と書くと「おの」と読まれることがあります。Ōno、Oono など、用途に合わせて伝わりやすい表記を選びます。

音の切れ目はアポストロフィ

単位は tan’i、船員は sen’in のように、n と次の母音がつながって別の読みにならないよう区切ります。

複合語はハイフンも使える

Kutani-yaki、Tanaka-san、Shichi-go-san のように、複数の語でできた言葉は読みやすさのために「-」を入れる場合があります。

固有名詞は語頭を大文字に

人名、地名、団体名は語頭を大文字にするのが基本です。名刺やユニフォームでは全員分の大文字・小文字も揃えます。

「Tokyo」「Judo」など社会に定着した表記や、本人・団体が長く使っている表記は、変更するとかえって混乱する場合があります。ルールだけで機械的に直さず、用途と定着度を見て判断することが大切です。

4. 名前をローマ字表記するときに気をつけたいポイント

名前のローマ字表記は、単純にかなをアルファベットへ置き換えるだけでは足りない場合があります。特に長音、撥音、促音、姓と名の順番は、名刺やスタンプ、ユニフォームの仕上がりに直結します。本人が普段使っている表記、パスポート表記、学校やチームの指定表記がある場合は、それを優先して確認しましょう。

1

パスポート表記

公的書類や海外で使う名刺は、パスポート表記との一致を優先します。

2

家族・チームで統一

同じ団体や追加注文では、名簿段階で表記ルールを揃えます。

3

表記・発音

長音、促音、撥音は別の名前に見えないか確認します。

4

姓と名の順番

日本式・英語式のどちらで見せるか、用途ごとに決めます。

例えば「大野」を Ono と書くと「おの」と読めるため、海外向けや本人確認を重視する場面では Ōno や Oono のような表記を検討します。「ゆな」と「ゆうな」はどちらも Yuna に見えることがあり、「まや」と「まあや」も Maya だけでは区別しにくい場合があります。反対に、すでに本人が長く使っている表記があるなら、無理に変えるより、その表記を尊重した方がよいケースもあります。

また、服部を Hattori とする促音、大西を Ōnishi や Oonishi とする長音など、名前ごとに確認したいポイントは異なります。ユニフォームの個人名刺繍やネームナンバープリントでは、一覧表の段階で「表示名」「背番号」「サイズ」「表記ルール」をまとめて確認すると、1枚だけ表記が違うといった事故を避けやすくなります。

5. これから看板・スタンプ・名刺を作るときの工夫

新しく制作する場合は、最初からヘボン式を前提に確認すると説明しやすくなります。ただし、既存のロゴ、店舗名、団体名、チーム名、ドメイン、SNSアカウントと違う表記にしてしまうと、かえって分かりにくくなることがあります。制作前には「新しい基準に合わせる部分」と「既存表記を残す部分」を分けて考えるのが現実的です。

  • 新規作成はヘボン式での制作が分かりやすい
  • 既存の表記に合わせる場合は、統一ルールを文書化
  • スペースの都合や視認性は、制作物ごとに調整
  • ロゴやデザインとのバランスを考えて表記を決定
  • 不明点は印刷のプロに相談して、最適な表記に

お名前つけスタンプや住所印では、小さな面積に文字を入れるため、表記の正確さと読みやすさの両方が必要です。名刺やショップカードでは、肩書き、会社名、メールアドレス、URLとの見え方も合わせて確認します。看板や標示板では、遠くから見たときに読みやすい字間、文字サイズ、表記の区切りが重要です。

販促としても活用できます。「ローマ字表記の見直しに合わせて、名刺・スタンプ・ユニフォーム表記を確認しませんか」と案内すれば、作り替えを急がせるのではなく、表記点検のきっかけとして提案できます。更新時期の名刺、入園・入学用のお名前スタンプ、クラブやチームの追加ユニフォームなど、自然なタイミングで相談につなげやすくなります。

6. まとめ:ローマ字表記は今すぐ全面直すものではない

ローマ字表記の見直しは、すでに使っている名刺、看板、スタンプ、ユニフォームを今すぐ全面的に作り替える話ではありません。大切なのは、これから作るものについて、ヘボン式を基本にしながら、本人・団体が使ってきた表記、パスポート表記、ブランドとして定着した表記をどう扱うかを整理することです。特に個人名刺繍やネームナンバープリントは、1人ずつ表記が違うため、入稿前の名簿確認が仕上がりを左右します。迷ったときは、読みやすさ、既存表記との統一、用途に合った表記の3点から判断しましょう。

7. よくある質問

Q. 既に作った名刺や看板は、すぐに作り直す必要がありますか?⌄

A. すぐに作り直す必要はありません。現在使っている表記が社内やお客様に定着している場合はそのまま使い、増刷や作り替え、新規制作のタイミングで表記を確認するのがおすすめです。

Q. パスポートの表記と異なる表記を使っても大丈夫ですか?⌄

A. 公的書類や海外渡航に関わるものは、パスポート表記に合わせるのが基本です。一方、名刺、店舗表示、ユニフォームのネームなどは用途に合わせて表記を決められますが、同じ人や同じチーム内で表記が混在しないようにしましょう。

Q. 社内で表記ルールを決めるときのポイントは?⌄

A. まず「ヘボン式を基本にする」「長音や撥音をどう扱う」「姓と名の順番をどうする」の3点を決めておくと運用しやすくなります。名刺、印鑑、看板、ウェアなど制作物ごとにルールを共有しておくと、発注ミスも防ぎやすくなります。

Q. ロゴのローマ字表記を変更した方がいいですか?⌄

A. ロゴやブランド名として定着している表記は、無理に変更しなくても問題ありません。ただし、新しくロゴを作る場合や海外向けの表示を整える場合は、読みやすさ、既存表記との整合性、商標やURLとの兼ね合いを確認して決めると安心です。

データや見積りが不安な方へ

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